ママを笑顔に!パパの食器洗い完全マニュアル
「3つのルール」さえ知っておけば食器洗いは完璧!
これでもう怒られない!
「食器洗い」に苦手意識を持っているパパは意外と多いようです。自分ではよかれと思ってやったのに、「ちゃんと洗って!」と妻に怒られた経験があるーー。そんな声もよく聞こえてきます。
そこで、"食器洗い達人"こと松木慎さん(ライオン ヘルス&ホームケア事業本部 リビングケア事業部)に、苦手意識を持つパパのための「食器洗いのノウハウ」を聞きました。その結果、いくつかの重要なポイントさえ押さえておけば、「妻を笑顔に出来る食器洗い」ができることが分かりました!これを読めば、あなたも今日から「食器洗い」マスターです。
ある夜のこと。A子は、汚れた食器をシンクに放置したまま、後ろ髪をひかれつつ、台所を離れました。夫はまだ帰って来ていません。A子はドタバタと子どもを風呂に入れ、絵本を読んで寝かしつけた後、なんとか一緒に寝落ちせずに、台所に戻りました。すると、不思議なことに、シンクに山盛りだったはずの汚れた食器がひとつもないではありませんか。
水切りカゴには、美しく洗い上げられた皿が整然と並び、シンクの周囲には水しぶき一滴も飛び散っていません。まるで「家事の上手な小人たちが知らない間にやってくれた」ようです。振り向くと、いつの間にか帰宅していたパパが座っています。パパはA子の笑顔を見て、満足げな微笑みを浮かべました。パパによる「小人作戦」大成功です。その意外性と、完璧な仕上がりは、妻をこれ以上ないほど喜ばせましたーー。
「えー、そんなのおとぎ話だろ」。そう一蹴するのは、早計です。食器洗いの"極意"さえ知っていれば、決して夢物語ではありません。
無意識に妻の「マイルール」に逆らってしまって、
即アウト!
すべての家事にも仕事と同様、ルールがあります。「マイルール」が意外と大量にある家事の代表格が、食器洗いなのです。日常的に食器洗いをしている人は、経験則的に「これが我が家のベスト」というルールに自然に到達しています。ところが、普段全く関わっていない人から見ると、そのルールは「難解極まれり」です。そうしなくてはいけない「必要性」や「意味」がそもそも分からない。このため、ついルールを破ってしまいただただ不機嫌になる妻に対して、夫のほうは、妻がなぜ怒っているのか理解できないのです。
食器洗いに苦手意識を持つ、"お悩みパパ"からは、こんな声が挙がっています。
「カレーの皿を重ねて運んだら、『やめて!』と妻に叫ばれた」
「蛇口全開で水を流しっぱなしにして洗っていたら、無駄使いしないで!と妻に怒られた」
「皿の立て方が悪いから乾くのに時間がかかる、とため息をつかれた」
「シンクにある食器をすべて洗って満足していたら、炊飯器内のお釜を洗い忘れていたことをチクチク言われた」
「周囲に水しぶきが飛んでる、と怒られた」
これで妻を笑顔に!食器洗いの「極意」を学ぶ
実は食器洗いは、シンプルに見えて、追求すると奥が深い家事です。食器を運ぶところから始まり、前処理、洗う、すすぐ、水を切る、乾かす、しまうまで、工程は多岐に渡ります。さらに、各工程のルールは家庭によって千差万別。例えば、洗い桶を使うのか、すすぎはまとめてするのか、お箸はどちら側を上に向けて乾かすのか、など細かく枝分かれします。
とはいえ、食器洗いという「タスク」の目的はひとつ。様々な汚れが付着した多様な形状の食器類をキレイな状態に戻すこと。合理的・科学的な裏付けがある「絶対的ルール」さえ知っていれば、妻の「マイルール」も理解でき、最短でゴールに到着することが可能です。では早速、知っておきたいルールを見ていきましょう。
食器洗いの"生命線"!すぐ洗わないなら、
せめて「水を張れ!」
"食器洗い達人"の松木慎さんに、パパのための「食器洗いのノウハウ」を聞いた
そのルールとは、(1)汚れを拡散させない、(2)汚れを固まらせない、(3)スポンジの効果を最大限に発揮せよ---です。
まず、汚れの範囲を最小限に留めるのが最初のミッション。「『汚れを拡散させない』ために、食器を食卓から下げる時点で『仕分け』します」と松木さん。「割れやすいグラス類」「汚れが軽いもの」「汚れがひどいもの(油汚れのものなど)」の3グループに分けておくだけで、汚れが少ない食器に、新たに汚れが広がるのを防げます。同じ理由で、汚れがひどい食器同士は重ねません。
「本当は、『食べたら即洗う』が理想的です。でもそれは難しいというご家庭もきっと多いのではないでしょうか」と松木さん。食器の汚れは、時間の経過に伴い、固着して、どんどん落としにくくなっていきます。時間を置いたことだけが理由で、労力が増えるのは避けたいもの。それを解決するための「最小にして最大の効果が期待できる行為」が、「水に浸ける」です。
すぐに洗えないときは、茶碗や皿に水を張っておく
カチカチになりがちなご飯粒や、しつこい油汚れも、茶碗や皿に水を張っておくだけで、汚れの固着を遅らせ、余計な手間を増やすのを防げます。ひどい油汚れのものは、キッチンペーパーやゴムベラなどで油分を拭き取ってから水を張ると「さらによし」です。「洗い桶にいったん食器類を浸ける」というルールの家庭でも、3つのグループを一緒の桶に入れないようにするのがポイント。
食器洗いを始める前に、ひどい油汚れのものはキッチンペーパーやゴムベラなどで油分を拭き取り、茶碗や皿は汚れが乾かないように水を張っておこう
意外と妻もやってない?
ここで差が出る「もみ込み5回」
洗剤をたらして、もみ込み5回が鉄則
さて、洗いましょう。その前に「やるとやらないでは、大きく差が出る」と松木さんが断言するのが、「もみ込み5回」です。「洗剤をスポンジに満遍なく行き渡らせる行為です。水を含ませ、食器用洗剤を垂らしたスポンジを手のひらにのせて、最低5回はもんで、泡を作ります」。
もみ込み5回で、スポンジの全面積に洗剤の泡が行き渡るので、例えば皿ならぐるっと表側2回、裏側2回ぐらいこするだけで、洗剤の泡がお皿全体に行き届くはずです。反対に、もみ込みをしていないと、洗剤を垂らした範囲しか効果を発揮できないので、何度も皿の上でスポンジを往復させなければならず、食器ひとつあたりにかかる時間を長引かせてしまう結果に。「もみ込みをしておくことで、泡持ちもよくなり、洗剤の使い過ぎも防げますよ」と松木さん。
まとめてすすぐと節水に、余り水を効率的に使え
「洗う順番は、まず割れやすいグラス類、次に汚れの軽いもの、最後に汚れのひどいもの、が効率的です」と松木さん。覚えておきたいポイントは、すべての場所にスポンジを届かせること。「難易度の高い、弁当箱などの角ばったものは、最後に四隅(よすみ)にまでしっかりスポンジを行き渡らせましょう」
次にすすぎです。「まとめてすすぐ方が、節水になります」と松木さん。「洗剤で洗った食器は、洗い桶など大きな器があれば、それに入れておきます。ない場合は、大きな食器を下にして重ねておきます。その上ですすぐと、すすぎに使った水が下の桶や食器にもかかり、効率的です」。
大きな食器を下にして重ねてすすぐ
では、すすぐ順番は? 「水切りカゴの種類や大きさによって異なりますが、すすいだ食器を迷わずにサッと置けるような順番がベター。置き場所に迷っている時間も水を流しっぱなしなので、水が無駄になってしまいます」
シンク周り、さらには床まで水浸しになってしまったーー。夫の"とほほ失敗ポイント"としてよく聞かれることです。「恐らくそういう方は、すすいでいるときの水流が強すぎたり、水を切るときに、自分のほうへ傾けて流しているのではないでしょうか。床まで水浸しになるのを回避するためには、シンクの奥(蛇口側)へ傾けて水を切りましょう」
水切りカゴは"風通しのよさ"が命、立体パズル感覚で
洗った食器は、水切りカゴへどのように置くべきなのか。絶対的に言えることは「風通しをよくすること」。つまり、食器と食器を密着させない。隙間をあけて空気の通り道をつくる。「水が切れやすいように、立てる、斜めにする、下向きに置く、が基本です」と松木さん。乾きやすいように、同じ種類のものはまとめて置きます。立体パズル気分で考えてみてください。割れやすいグラス類は、重ねない、あるいは別の場所へ置きましょう。
その後、食器は水切りカゴに放置でいいのか、拭いた方がいいのか。「自然乾燥派」「すぐ拭く派」のそれぞれに言い分はあり、各々メリットは存在するので、ママルールに従いましょう。ちなみに、松木さんのオススメは「Magica速乾+」。「すすいだ後の水がすばやく切れる食器用洗剤だから、すぐ拭く派の方は、ふきんがびしょびしょになりませんし、自然乾燥派の方もより早く片づけられますよ」
水切りカゴのキホンは、水が切れやすいように「立てる」「斜めにする」「下向きに置く」。同じ種類のものはまとめて置き、隙間を少しずつあけるようにするのがポイント
ここまでしたら妻もニンマリ、+αのハッピーポイント
最後に周りの水しぶきを拭いて、シンクの内側もきれいにする
「やれやれ終わった」と安心するなかれ。「炊飯器内の釜を洗い忘れた」は、よくある"とほほ失敗ポイント"。洗い残しているものはないか、食卓や調理スペースを見渡し、ダブルチェックです。さらに、周囲や床に飛び散った水しぶきがないかもチェックし、濡れていれば必ず拭いておきます。「水しぶきなんて、見た目だけの問題だろう」と思うかもしれませんが、汚れと水分が混在した状態をそのままにしておくと、雑菌が繁殖しやすく、不衛生です。
生ゴミはママルールに則って処理しましょう。さらに、シンクの内側をシンク用スポンジと洗剤で洗う。ここまでやれば、妻を最高の笑顔にできるでしょう。
納豆ベトベト問題は? 色の変わったスポンジは?
さて、せっかくなので、ニッチな疑問も松木さんにぶつけてみました。食器洗い初心者の心をくじく、代表的存在の「納豆ベトベトお茶碗」。上手な洗い方はあるのでしょうか。「乾燥しないように、水を張っておく方が落としやすくなります」
頼もしい相棒、スポンジの"選手生命"も気になります、カレーや焦げ付きを洗うと、いとも簡単に色が変わってしまいますが、そのまま使ってもよいのでしょうか。「スポンジを使った後は、食器用洗剤をもみ込み、スポンジ自体を洗いましょう。汚れや油分がきちんと落ちていれば、色素が残っていても、問題ありません。スポンジが期待されている働きは、洗剤を泡立て、食器に効率よく行き渡らせること。スポンジ自体がヘタってきて、『泡立ちが悪い』と感じたら、替え時です」
最後に、食器洗いはどのタイミングですると、一番喜ばれるのでしょうか。「妻が風呂に入っているときや子どもの面倒を見ているときなど、見ていない間にサッと片づけておくと、とても喜ばれます」と松木さん。とりわけ食器洗いにまだ自信がない人ほど、冒頭のエピソードのような、「小人作戦」が実は効果的。というのも、妻が見ている前ですると、妻はついあれこれ口を出したくなり、夫も冷静に作業しづらい傾向があります。さりげなく、完璧に仕上げるーーこれぞ男の食器洗いの美学かもしれません。あなたも今日から、妻をおとぎ話のプリンセスのような笑顔にしてみませんか。
妻がお風呂に入っている間にサッと片付けておけば、感動されちゃうかも!
これであなたも食器洗いマスターに!!
これまでに紹介したノウハウを活用すれば、妻から怒られることもなく、妻のとびっきりの笑顔が見られるはずです。でも、「やることが多くて忘れてしまうかも」と心配するパパもいるかもしれません。そんなパパのために、食器洗いのノウハウをチャートで表現した『パパのための食器洗い完全マニュアル』をご用意しました!
※「パパの食器洗い完全マニュアル」のPDFのダウンロードはこちらから
印刷して冷蔵庫などに貼り、食器洗いのたびにチェックすれば、必ず「食器洗いマスター」になれるでしょう。ぜひ活用して、妻を喜ばせてください。
妻がお風呂に入っている間にサッと片付けておけば、感動されちゃうかも!
※「パパの食器洗い完全マニュアル」のPDFのダウンロードはこちらから
(取材・文/小林浩子)
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